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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぐびじんそう

虞美人草

夏目 漱石

Lesen Sie 虞美人草 (ぐびじんそう) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 198.559 Zeichen · 401 Bildschirme

Aozora Bunko

妻の謎を解くためには妻と同心にならねばならぬ。宇宙の謎を解くためには宇宙と同心同体にならねばならぬ。これが出来ねば、親も妻も宇宙も疑である。解けぬ謎である、苦痛である。親兄弟と云う解けぬ謎のある矢先に、妻と云う新しき謎を好んで貰うのは、自分の財産の所置に窮している上に、他人の金銭を預かると一般である。妻と云う新らしき謎を貰うのみか、新らしき謎に、また新らしき謎を生ませて苦しむのは、預かった金銭に利子が積んで、他人の所得をみずからと持ち扱うようなものであろう。……すべての疑は身を捨てて始めて解決が出来る。ただどう身を捨てるかが問題である。死? 死とはあまりに無能である」

宗近君は籐の椅子に横平な腰を据えてさっきから隣りの琴を聴いている。御室の御所の春寒に、銘をたまわる琵琶の風流は知るはずがない。十三絃を南部の菖蒲形に張って、象牙に置いた蒔絵の舌を気高しと思う数奇も有たぬ。宗近君はただ漫然と聴いているばかりである。

滴々と垣を蔽う連の黄な向うは業平竹の一叢に、苔の多い御影の突く這いを添えて、三坪に足らぬ小庭には、一面に叡山苔を這わしている。琴の音はこの庭から出る。