Japanische Klassiker mit Furigana
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ぐびじんそう
虞美人草
Lesen Sie 虞美人草 (ぐびじんそう) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 198.559 Zeichen · 401 Bildschirme
ここまで推して来て停まるは、ただ勝つ事を知る藤尾には出来ない。
「あなたは私の姉さんになりたくはなくって」と、素知らぬ顔で云う。
「あらっ」と糸子の頬に吾を忘れた色が出る。敵はそれ見ろと心の中で冷笑って引き上げる。
甲野さんと宗近君と相談の上取りきめた格言に云う。――第一義において活動せざるものは肝胆相照らすを得ずと。両人の妹は肝胆の外廓で戦争をしている。肝胆の中に引き入れる戦争か、肝胆の外に追っ払う戦争か。哲学者は二十世紀の会話を評して肝胆相曇らす戦争と云った。
ところへ小野さんが来る。小野さんは過去に追い懸けられて、下宿の部屋のなかをぐるぐると廻った。何度廻っても逃げ延びられそうもない時、過去の友達に逢って、過去と現在との調停を試みた。調停は出来たような、出来ないような訳で、自己は依然として不安の状態にある。度胸を据えて、追っ懸けてくるものを取っ押える勇気は無論ない。小野さんはやむを得ず、未来を望んで馳け込んで来た。袞竜の袖に隠れると云う諺がある。小野さんは未来の袖に隠れようとする。
小野さんは蹌々踉々として来た。ただ蹌々踉々の意味を説明しがたいのが残念である。