Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
にじのはし
虹の橋
久生 十蘭
Lesen Sie 虹の橋 (にじのはし) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 15.038 Zeichen · 30 Bildschirme
青山と麻布の高台に挾まれた谷底のような陰気な町筋を、一時間近くも歩きまわったすえ、やっとのことで、それらしい番地をたずねあてた。玄関と勝手口の並んだ浅間な仕舞屋がつづき、その突きあたりに、古ぼけた千本格子が奥深くしずまっている。前まで行ったが、そこもちがうらしい。うんざりしてひきかえそうとすると、八百屋の御用聞きが露路へ入ってきた。
「家を探しているんですか」
「北川って家なんですけど」
「北川さんなら突当りです」
先に立って格子戸を開け、
「こんちは、北川さん」
と高っ調子をはりあげると、奥まったところから落着いた声がした。
「徳さんですか。勝手へ廻ってください」
「ここまで這いだしてくださいよ。お客さんです……若い女のひと」
「また担ぐんでしょう」
白髪をオールバックに撫でつけ、結城の裁着のようなものをはいた六十二三の品のいいおばあさんが、障子を細目に開けて顔をだしたが、おやと呟くと、玄関の二畳へ這いだしてきて、丁寧にお辞儀をした。
「失礼申しました……このひとたち、くだらないことをいって担ぐもんですから……、どなたさまでいらしゃいましょう」
「あのう、あたしは……」