Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
へび
蛇
Lesen Sie 蛇 (へび) von Mori Ōgai (森 鴎外) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.073 Zeichen · 23 Bildschirme
女は一人でしゃべっているらしい。
挨拶に出た爺いさんが、「病人がありまして、おやかましゅうございましょう」と、あやまるように云ったが、まさか病人があんなにしゃべり続けはすまい。
もしや狂人ではあるまいか。
詞は分からないが、音調で察して見れば、何事をか相手に哀願しているようである。
遠いところでぼんぼん時計が鳴る。懐中時計を出して見れば、十時である。
月が小庭にさしている。薄濁りのしたような、青白い月の光である。きのう峠で逢った雨は、日中の照りに乾いて、きょうは道が好かったに、小庭の苔はまだ濡れている。「こちらが少しはお涼しゅうございましょう」と云って爺いさんに連れて来られた黄昏に、大きな蝦蟇が一疋いつまでも動かずに、おりおり口をぱくりと開けて、己の厭がる蚊を食っていたのを思い出して、手水鉢の向うを見たが、もうそこにはなんにもいなかった。
この縁側の附いている八畳の間には、黒塗の太い床縁のある床の間があって、黒ずんだ文人画の山水が掛っている。向こうに締め切ってある襖には、杜少陵の詩が骨々しい大字で書いてある。何か物音がするように思って、襖の方を見ると、丁度竹の筒を台にした、薄暗いランプの附いている向うの処で、「和気日融々」