Japanische Klassiker mit Furigana
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へび
蛇
Lesen Sie 蛇 (へび) von Mori Ōgai (森 鴎外) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.073 Zeichen · 23 Bildschirme
八十歳の長寿をして、こないだ死ぬるまで、毎日十人ずつの乞食に二十五銭ずつ施すことになっていたので、近年は郡役所で貧窮のものを調べて、代り代り貰いに来させることになっていた。若い奉公人の中には、「御隠居様のお客様」と云って、蔭で笑うものがあったが、貰いに来るものの感情を害するような事をしたものはない。
この夫婦の間にどうしたわけか子がないので、ひどく歎いていると、明治の初年に奥さんが四十になって姙娠した。夫婦は大層喜んだが、長野から請待した産科のお医者が、これまで四十の初産は手掛けたことがないと云って、眉を顰めたそうである。
それでも無事に今の主人は生れた。小学校というものが始めて出来た頃に、好く物が出来るというので、県庁までも知られていた。その頃自分は商人になろうと思って、主人の取引をしている、日本橋の問屋へ奉公に出た。小僧の時から奉公したのではなくては使わないというのを、主人の保証で番頭の見習をさせて貰った。
西南の戦争の時、問屋が糧秣品を納めて、大分の利益を見てから、四五年立った時であった。いつか故参になった自分は、女房を持たせて、暖簾を分けて貰うことになっていると、先代の穂積の主人が卒中して、六十五歳で頓死した。