Japanische Klassiker mit Furigana
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しんきろう
蜃気楼
Lesen Sie 蜃気楼 (しんきろう) von Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 4.624 Zeichen · 10 Bildschirme
砂山は砂止めの笹垣の裾にやはり低い松を黄ばませていた。O君はそこを通る時に「どっこいしょ」と云うように腰をかがめ、砂の上の何かを拾い上げた。それは瀝青らしい黒枠の中に横文字を並べた木札だった。
「何だい、それは? Sr. H. Tsuji …… Unua …… Aprilo …… Jaro ……1906……」
「何かしら? dua …… Majesta ……ですか? 1926としてありますね。」
「これは、ほれ、水葬した死骸についていたんじゃないか?」
O君はこう云う推測を下した。
「だって死骸を水葬する時には帆布か何かに包むだけだろう?」
「だからそれへこの札をつけてさ。――ほれ、ここに釘が打ってある。これはもとは十字架の形をしていたんだな。」
僕等はもうその時には別荘らしい篠垣や松林の間を歩いていた。木札はどうもO君の推測に近いものらしかった。僕は又何か日の光の中に感じる筈のない無気味さを感じた。
「縁起でもないものを拾ったな。」
「何、僕はマスコットにするよ。……しかし1906から1926とすると、二十位で死んだんだな。二十位と――」
「男ですかしら? 女ですかしら?」