Japanische Klassiker mit Furigana
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くものゆめ
蜘蛛の夢
岡本 綺堂
Lesen Sie 蜘蛛の夢 (くものゆめ) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 147.189 Zeichen · 298 Bildschirme
彼は分け前の銀をうけ取ると共に、娘を連れてその郷里を立去って、その銀を元手に旅商人になったが、比較的正直な人間とみえて、昔の罪に悩まされてその後はどうもよい心持がしない。からだもだんだん弱って来て、とうとう旅の空で死ぬようになった。その時かの李香が相宿のよしみで親切に看病してくれたので、彼は死にぎわに自分の秘密を残らず懺悔して、自分は罪のふかい身の上であるから、こうして穏かに死ぬことが出来れば仕合せである。ただ心がかりは娘のことで、父をうしなって路頭に迷うであろうから、素姓の知れない捨子を拾ったとおもって面倒をみて、成長の後は下女にでも使ってくれと頼んだ。李はこころよく引受けて、孤児の娘をひき取り、父の死体の埋葬も型のごとくに済ませてやったが、ここでふと思い付いたのが舞台の幽霊一件だ。崔の父から詳しくその秘密を聞いたのを種にして、かれは俳優だけにひと狂言書こうと思い立ったらしい。王の家をたずねて、お前の母の塚には他人の死骸が合葬してあると教えてやったところで、幾らかの謝礼を貰うに過ぎない。むしろそれを巧みに利用して、自分の商売の広告にした方がましだと考えたので、今までは関羽を売りものにしていた彼が俄かに包孝粛の狂言を上演することにした。