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Japanische Klassiker mit Furigana

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くものゆめ

蜘蛛の夢

岡本 綺堂

Lesen Sie 蜘蛛の夢 (くものゆめ) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 147.189 Zeichen · 298 Bildschirme

Aozora Bunko

そういう訳だから、崔はその下手人を大抵察しているものの、役人たちの調べに対して、なんにも知らない顔をしていると、その日の夕方、誰が送ったとも知れない一通の手紙が崔のところへ届いて、蘇小小の墓の前へ今夜そっと来てくれとあるので、崔はその人を察して出て行くと、果してかの女が待っていた。」

「その女は何者だね。」

「それは判らない。女は崔にむかって、わたしも蔭ながら成行きを窺っていたが、李の一件もこれで一段落で、もうこの上の詮議はあるまい。座頭の李が死んだ以上、おまえの一座も解散のほかはあるまいから、これを機会に周にも俳優をやめさせて、二人が夫婦になって何か新しい職業を求める方がよかろう。わたしもここを立去るつもりだから、もうお前にも逢えまいと言った。崔は名残り惜しく思ったが、今更ひき留めるわけにもいかない。せめてあなたの名を覚えて置きたいといったが、女は教えなかった。わたしは世間で言いふらす通り、蘇小小の霊だと思っていてくれればいいと、女は笑って別れようとする途端に、かの捕吏があらわれて来た……。これで一切の事情は明白になったのだが、崔が果して李香殺しに何の関係もないのか、あるいはかの女と共謀であるのか、本人の片口だけではまだ疑うべき余地があるので、崔はすぐに釈放されなかった。