Japanische Klassiker mit Furigana
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くものゆめ
蜘蛛の夢
岡本 綺堂
Lesen Sie 蜘蛛の夢 (くものゆめ) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 147.189 Zeichen · 298 Bildschirme
父は夜露に打たれた為に少しく風邪を引いたので、当分は張番を見合せることになった。それでも毎朝一度ずつは空地を見廻って、新しい穴が掘られているかどうかを調べていたが、最初に発見された九カ所と後の一カ所と、その以外には新しい穴は見いだされなかった。かれらもこのいたずら――まずそうらしく思われる――を中止したらしかった。
それから半月あまり無事に過ぎた。その以来、家内の女たちをおびやかすような怪しい響きもきこえなくなって、この問題も自然に忘れられかかった時に、父はふとあることを思いついた。それはあたかも日曜日の朝であったので、父はすぐに近所の米屋をたずねた。
米屋は前にいったような事情で、わたしの家を昔の持主から譲りうけて、更にそれをわたしの父に売り渡したのである。そうして、現在もわたしの家に米を入れている。その米屋の主人に逢って、昔の持主のことをたずねると、主人はこう答えた。
「その節も申上げましたが、あなたのお屋敷には安達さんというお武家が住んでいらしったのでございますが、そのお方は脱走して、越後口で討死をなすったということでございます。」
「その安達という人の家族はどうしたね。