Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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くものいと

蜘蛛の糸

芥川龍之介

Lesen Sie 蜘蛛の糸 (くものいと) von Akutagawa Ryūnosuke (芥川龍之介) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 3.190 Zeichen · 7 Bildschirme

Aozora Bunko

その上あたりは墓の中のようにしんと静まり返って、たまに聞えるものと云っては、ただ罪人がつく微な嘆息ばかりでございます。これはここへ落ちて来るほどの人間は、もうさまざまな地獄の責苦に疲れはてて、泣声を出す力さえなくなっているのでございましょう。ですからさすが大泥坊の※(「特のへん+廴+聿」、第3水準1-87-71)陀多も、やはり血の池の血に咽びながら、まるで死にかかった蛙のように、ただもがいてばかり居りました。

ところがある時の事でございます。何気なく※(「特のへん+廴+聿」、第3水準1-87-71)陀多が頭を挙げて、血の池の空を眺めますと、そのひっそりとした暗の中を、遠い遠い天上から、銀色の蜘蛛の糸が、まるで人目にかかるのを恐れるように、一すじ細く光りながら、するすると自分の上へ垂れて参るのではございませんか。※(「特のへん+廴+聿」、第3水準1-87-71)陀多はこれを見ると、思わず手を拍って喜びました。この糸に縋りついて、どこまでものぼって行けば、きっと地獄からぬけ出せるのに相違ございません。いや、うまく行くと、極楽へはいる事さえも出来ましょう。