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Japanische Klassiker mit Furigana

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われはうたえども やぶれかぶれ

蜜のあわれ・われはうたえども やぶれかぶれ

室生 犀星

Lesen Sie 蜜のあわれ・われはうたえども やぶれかぶれ (われはうたえども やぶれかぶれ) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 45.726 Zeichen · 90 Bildschirme

Aozora Bunko

眼をさまさないで寝ていてくれ、一人で起きている方が気がらくだ、寝ると痛み出してくるんだといっても結局寝なければならなかった。寝台の毛布は外れているし尿は尿器にみちているし、湯たんぽの湯は冷えていた。

娘の相子は四時から五時の間に、夕食のさかな、おひたし物などを料理し毎日大森から通い、八時の外来客の帰る時刻にかえって行ったが、私はさかなも刺身にも手をつけないでぶどうとか梨とかメロンしか食えなかった。しまいにはぶどうの青い球を見ただけで、もうやめていた。食物よりも苦痛のひろがり方が大きい、その中にいる間は何も食えなかった。私はうけ取った金をまだ受けとらぬといい出し、今日来た客は誰だったかといい、すでに三度も来てくれた人がまだ一度も見舞いに来てくれないと言うほどの記憶の喪失に打つかっていた。カテーテル挿入四日後には咳まで烈しくなり、まるで自分でも苦痛を誇大にあつかっているのではないかという疑いまで生じた。相子の顔がすぐそこにあるのに、遠くにいる視覚の混乱さえもおぼえ出した。五日目に主治医は一週間ではどれほどの効果があるか覚束ないといい、さらに二三日延期するような口振りであったのに、私はこれ以上通されとおしでたまるものかと思い、あんたんとして井荻看護婦に対って言った。