Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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われはうたえども やぶれかぶれ

蜜のあわれ・われはうたえども やぶれかぶれ

室生 犀星

Lesen Sie 蜜のあわれ・われはうたえども やぶれかぶれ (われはうたえども やぶれかぶれ) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 45.726 Zeichen · 90 Bildschirme

Aozora Bunko

ばならなかった。午後の四時半から五時までの間に毎日娘の相子が病室に現われるので、大概、四時半すぎると事務室から電話の取次が三十分くらいの短時間に、何本もかかって来た。そちらに相子さんて方がいらっしったら電話口にまですぐいらっしってくださいとか、相子さんがまだいらっしゃらなかったら、誰方か附添の方に代って出てくださいとか、若し相子さんがいらっしったらこれから直ぐにお伺いしますから、そうお伝えくださいとか、そういう電話が込みあうと今かかったのに、もう次の人からかかって来た。それらの電話の主はどういうものか名前が明らかにされなかった。相子の友人とか婦人記者とかでいわば私と共通の電話のぬしなのであるが、私にはかけないでみな相子の方にかかって来て、相子がいないと名前も言わないでいるところに、私への遠慮が女の人の細かい気づかいにあった。その間に例の外科の何々先生がいらしったら至急にれんらくしてくださいというのが交ったりして、私は何々先生はここにいられませんと大きい声で返事しなければならなかった。その間にご面会のお客様でございますから附添の方に事務所前までいらっしってくださいとか、只今、生きた鯉をお持ちになりこれを上げてくださいと言ってお帰りになられたお客様がございますので、直ぐその処置をしてくださいというのがあったり