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Japanische Klassiker mit Furigana

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われはうたえども やぶれかぶれ

蜜のあわれ・われはうたえども やぶれかぶれ

室生 犀星

Lesen Sie 蜜のあわれ・われはうたえども やぶれかぶれ (われはうたえども やぶれかぶれ) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 45.726 Zeichen · 90 Bildschirme

Aozora Bunko

このタイルに誰か白い人間が塗りこめられているのではないか、そしたら白い人間はもっと外のことを言う筈なのだ。私はがらにもなく巨費を投じて冬も凍らないように厚い壁土をぬりこめ、みがいたタイルで四囲を塗りつめたが、この古い百姓家のような構えに此処だけが病院の便所のように壮麗に見えた。此処でもだえているあいだの私は足の先からあおざめて来ることを覚え、タイルを見詰めている間に眼がきらきらになり紫のにじのような奴が、だんだんに交叉して来ることを覚える。白い人間なぞいるはずがないのにタイルばかりを凝視していると、そういうことになる。そういうことがあったら面白いということになる。すべて白い物というものはそれの展がりによって、何にでも形をととのえてくるから妙だ。

目を明けるとタイルの上に夜明けが渡って、私は小窓をあけて後ろ山をながめた。充分に夜が明けていて凡て夜明けの明りというものは、人間のからだからも射していることが、私自身がまわりと同様にあかるくなっていることで判った。けれども私のあれはとうとう出なかった。外の石垣の下にゆくことを頭にちょっとでも持ったら此処では一さい出なかった。