Japanische Klassiker mit Furigana
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きりぎりすのき
螽蟖の記
室生 犀星
Lesen Sie 螽蟖の記 (きりぎりすのき) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 3.632 Zeichen · 8 Bildschirme
やはりこおろぎをうたったものかも知れない。
きりぎりすわすれ音に啼く火燵かな 芭蕉
などの句はやはりこおろぎのことをうたったものらしい。火燵をするころにこおろぎは生きのこっていても、きりぎりすは生き残ることはないのである。
床に来て鼾に入るやきりぎりす 芭蕉
猪の床にも入るやきりぎりす 芭蕉
どうも、これらはこおろぎの句であるらしい。ただ一句、本物のきりぎりすらしい句は、奥の細道の行脚の折、加賀の国でよんだなかに、
むざんやな甲の下のきりぎりす 芭蕉
という一句がある。時は夏から秋にかけたころであるし、きりぎりすと甲といかにも調和されているのでもわかるのである。この句には前書がある。「加賀の小松といふところ、多田の神社の宝物として、実盛が菊から草のかぶと、同じく錦のきれ有り、遠き事ながらまのあたり憐れにおぼえて」と、断りがきがしてある。どうも本物のきりぎりすであるらしく、そのほうが俳句としても、がっちりしているからである。
きりぎりすを飼う面白味は勿論、その鳴く声にあるけれど、それにも増して、美しい丈夫そうな形にある。