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Japanische Klassiker mit Furigana

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かにこうせん

蟹工船

小林 多喜二

Lesen Sie 蟹工船 (かにこうせん) von 小林 多喜二 (こばやしたきじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 61.890 Zeichen · 125 Bildschirme

Aozora Bunko

が、つかんだ! ――ロープはギリギリとしまると、水のしたたりをしぼり落して、一直線に張った。こっちで見ていた漁夫達は、思わず肩から力を抜いた。

ステイは絶え間なく、風の具合で、高くなったり、遠くなったり鳴っていた。夕方になるまでに二艘を残して、それでも全部帰ってくることが出来た。どの漁夫も本船のデッキを踏むと、それっきり気を失いかけた。一艘は水船になってしまったために、錨を投げ込んで、漁夫が別の川崎に移って、帰ってきた。他の一艘は漁夫共に全然行衛不明だった。

監督はブリブリしていた。何度も漁夫の部屋へ降りて来て、又上って行った。皆は焼き殺すような憎悪に満ちた視線で、だまって、その度に見送った。

翌日、川崎の捜索かたがた、蟹の後を追って、本船が移動することになった。「人間の五、六匹何んでもないけれども、川崎がいたまし」かったからだった。

朝早くから、機関部が急がしかった。錨を上げる震動が、錨室と背中合せになっている漁夫を煎豆のようにハネ飛ばした。サイドの鉄板がボロボロになって、その度にこぼれ落ちた。――博光丸は北緯五十一度五分の所まで、錨をなげてきた第一号川崎船を捜索した。