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Japanische Klassiker mit Furigana

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かにこうせん

蟹工船

小林 多喜二

Lesen Sie 蟹工船 (かにこうせん) von 小林 多喜二 (こばやしたきじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 61.890 Zeichen · 125 Bildschirme

Aozora Bunko

農林省の役人が来れば来たでタラップからタタキ落ちる程酔払うしな!」

「何しに来るんだべ?」

給仕は、分らんさ、という顔をして、急いでコック場に走って行った。

箸では食いづらいボロボロな南京米に、紙ッ切れのような、実が浮んでいる塩ッぽい味噌汁で、漁夫等が飯を食った。

「食ったことも、見たことも無えん洋食が、サロンさ何んぼも行ったな」

「糞喰え――だ」

テーブルの側の壁には、

一、飯のことで文句を云うものは、偉い人間になれぬ。

一、一粒の米を大切にせよ。血と汗の賜物なり。

一、不自由と苦しさに耐えよ。

振仮名がついた下手な字で、ビラが貼らさっていた。下の余白には、共同便所の中にあるような猥褻な落書がされていた。

飯が終ると、寝るまでの一寸の間、ストーヴを囲んだ。――駆逐艦のことから、兵隊の話が出た。漁夫には秋田、青森、岩手の百姓が多かった。それで兵隊のことになると、訳が分らず、夢中になった。兵隊に行ってきたものが多かった。彼等は、今では、その当時の残虐に充ちた兵隊の生活をかえって懐しいものに、色々想い出していた。

皆寝てしまうと、急に、サロンで騒いでいる音が、デッキの板や、サイドを伝って、此処まで聞えてきた。