Japanische Klassiker mit Furigana
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かにこうせん
蟹工船
小林 多喜二
Lesen Sie 蟹工船 (かにこうせん) von 小林 多喜二 (こばやしたきじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 61.890 Zeichen · 125 Bildschirme
……こら、顔をみれ、カムサツカのしやっこい水さ入りたくねえッて云ってるんでないか。――海さ投げられるなんて、頼りねえな……」
「同じ海でもカムサツカだ。冬になれば――九月過ぎれば、船一艘も居なくなって、凍ってしまう海だで。北の北の端れの!」
「ん、ん」――泣いていた。「それによ、こうやって袋に入れるッて云うのに、たった六、七人でな。三、四百人もいるのによ!」
「俺達、死んでからも、碌な目に合わないんだ……」
皆は半日でいいから休みにしてくれるように頼んだが、前の日から蟹の大漁で、許されなかった。「私事と公事を混同するな」監督にそう云われた。
監督が「糞壺」の天井から顔だけ出して、
「もういいか」ときいた。
仕方がなく彼等は「いい」と云った。
「じゃ、運ぶんだ」
「んでも、船長さんがその前に弔詞を読んでくれることになってるんだよ」
「船長オ? 弔詞イ? ――」嘲けるように、「馬鹿! そんな悠長なことしてれるか」
悠長なことはしていられなかった。蟹が甲板に山積みになって、ゴソゴソ爪で床をならしていた。
そして、どんどん運び出されて、鮭か鱒の菰包みのように無雑作に、船尾につけてある発動機に積み込まれた。