Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
はえ
蠅
海野 十三
Lesen Sie 蠅 (はえ) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 19.774 Zeichen · 40 Bildschirme
ああ、突然の駭き。それはどこからうつしたものか、彼と妻君との戯れが長尺物になって、スクリーンの上にうつし出されたではないか!
「呀ッ。――」
と彼は一言叫んだなりに、呆然としてしまった。
(何故だろう。何故だろう)
彼は憤るよりも前に、まず駭き、羞らい、懼れ、転がるように会場から脱け出でた。そして自分の部屋に帰って来て、安楽椅子の上に身を抛げだした。そしてやっとすこし気を取り直したのだった。
(何故だろう。あの怪映画は、自分たちの楽しい遊戯を上の方から見下ろすように撮ってあった。一体どこから撮ったものだろう。撮るといって、どこからも撮れるようなものはないのに……)
と、彼はいぶかしげに、頭の上を見上げた。そこには、依然として真新しい白壁の天井があるっきりだった。別にどこという窓も明いている風に見えなかった。ただ一つ、気になるといえば気になるのは、前から相も変らず、同じ場所にポツンと止まっている黒い大きい蠅が一匹であった。
「どうしてもあの蠅だ。なぜあの蠅だか知らないが、あれより外に怪しい材料が見当らないのだ!」
そう叫んだ彼は、セオリーを超越して、梯子を持ってきた。