Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ちまんだらしちょうぶし

血曼陀羅紙帳武士

国枝 史郎

Lesen Sie 血曼陀羅紙帳武士 (ちまんだらしちょうぶし) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 88.970 Zeichen · 176 Bildschirme

Aozora Bunko

(この中で寝たら、どんな気持ちするものかしら?)

この好奇心も、女心の一つであろう。

栞は、紙帳の中へはいろうとして、身をかがめ、その裾へ手をかけた。

しかし栞よ、その紙帳こそは、やはり、五味左門の紙帳なのであり、三日前の夜、風に飛ばされて、ここまで来たものであり、そうして、その中へはいったものは、男なら殺され、女なら、生命より大切の……そういう紙帳だのに、栞よ、お前は、その中へはいろうとするのか?

そんなことを知る筈のない栞は、とうとう紙帳の中へはいった。

処女の体を呑んだ紙帳は、ほんのちょっとの間、サワサワと揺れたが、すぐに何事もなかったように静まり、その上を、眼白や頬白が、枝移りしようとして翔けり、その影を、刹那刹那映した。

戸板の一団

ちょうどこの頃のことであるが、この林から一里ほど離れた地点に、だだっ広い前庭を持った一構えの農家が立ってい、家鶏の雛が十羽ばかり、親鶏の足の周囲を、欝金色の綿の珠が転がるかのように、めまぐるしく転がり廻っていた。と、筵をかけた戸板を担い、それを取り巻いた十人の男が、街道の方から走って来、庭の中へはいって来た。