Japanische Klassiker mit Furigana
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ちまんだらしちょうぶし
血曼陀羅紙帳武士
国枝 史郎
Lesen Sie 血曼陀羅紙帳武士 (ちまんだらしちょうぶし) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 88.970 Zeichen · 176 Bildschirme
そういう二人の顔は、窓の高さに存在った。だから窓の外から見れば、二個の首級が、噛み合い食い合いしているように見えるのであった。納屋の壁には、鋤だの鍬だの鎌だのの農具が立てかけてあり、地面には、馬盥だのだの稲扱きだのが置いてあったが、そのずっと奥の方に、裸体蝋燭が燃えており、それを囲繞んで、六人の男が丁半を争っていた。五郎蔵の乾児どもであった。その横に立って、腕組みをし、勝負を見ているのは、これも用心棒の小林紋太郎で、その南京豆のような顔は、蝋燭の光で黄疸病のように見えていた。
これらの輩は、戸のあく音を聞くと、一斉にそっちを見たが、
「染八か」「何をしていたんだ」「喜代三はどうした」「いい勝負がはじまっている」「仲間にはいりな」
などと声をかけた。
井戸の方へ水を飲みに行った二人の身内の一人が、帰って来たものと思ったらしい。しかし明るい戸口の外光を背負って立っている男が、染八でもなく喜代三でもなく、武士だったので、乾児たちは一度に口を噤んでしまった。
頼母に一番近く接していた角右衛門が、真っ先に侵入者の何者であるかを見てとった。
「わ、わりゃア伊東頼母!」