Japanische Klassiker mit Furigana
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ちまんだらしちょうぶし
血曼陀羅紙帳武士
国枝 史郎
Lesen Sie 血曼陀羅紙帳武士 (ちまんだらしちょうぶし) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 88.970 Zeichen · 176 Bildschirme
頼母は黙ってしまった。
頼母が困じて黙っている様子を見てとった乾児たちは、
「そこで親分には手前をさがしだし、叩っ斬ろうとしているところなのよ」
「いいところへ来た」
「とっ捕まえろ」
「手に余ったら叩っ斬れ」
と喚き出し、
「それを見ろそれを!」
と、頬に守宮の刺青をしている一人の乾児が、梁から釣り下げられている典膳お浦を指さした。
「俺ら仲間の処刑、凄かろうがな。……手前を捉えて、こうしようというのが親分の念願なのさ」
「やっつけろ!」
脇差しを引き抜くものもあった。
頼母も刀の柄へ手をかけ、先方が斬り込んで来たら、斬り払おうと構えたが、それにしてもお浦と典膳との境遇が、あまりに悲惨に、あまりに意外に思われてならなかった。
(いずれお浦は、あの後、五郎蔵の手に捕えられたものらしい)
あの後というのは、お浦が左門の紙帳を冠ったまま、武蔵屋の庭から消えた後のことであって、あの時、紙帳が自然のように動きだしたのは、その実、その中にお浦がいたのだということは、お浦の衣裳が、次々に紙帳の中から地に落ちたことによって、頼母にも悟れたのであった。
(その後どうして五郎蔵の手に捕えられたのであろう?)