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Japanische Klassiker mit Furigana

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ちまんだらしちょうぶし

血曼陀羅紙帳武士

国枝 史郎

Lesen Sie 血曼陀羅紙帳武士 (ちまんだらしちょうぶし) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 88.970 Zeichen · 176 Bildschirme

Aozora Bunko

栞は、顔を上向け、また、何か想いにふけっているようであった。華やかな半襟の合わさり目から、白い滑かな咽喉が覗き、その上に、ふくよかな円い顔が載っていて、咽喉の形が、象牙の撥のように見えているのも、初々しかった。

栞は笑った。頼母のことを思っての、「想い出し笑い」であった。

「栞殿」と、左門は、相手の心を探るように云った。

「そなた、誰かと恋し合っておられますな」

「ま、……どうして……」

しかし栞の耳朶は紅を注した。

「様子でわかりまする」

「…………」

「あまりに浮き浮きとしておられる。あまりに幸福そうじゃ。……若い娘ごが、そのように成られること、恋以外にはござらぬ」

「…………」

「栞殿のような、美しい、賢い、無邪気な娘ごに恋される男、何者やら、果報者でござるよ」

「…………」

「相手の殿ごも、栞殿を愛しておられますかな?」

讐敵紙帳の内外

「それはもう……」と、栞は思わず云って、また顔を染めた。

「その殿ご、心変りせねばよいが」

「なんの……決して……そのようなこと!」

「競争者でも出来て……」

「競争者でも……」

と、栞の顔へ、はじめて不安の影が射した。

「さよう、競争者でも出来ましたら、男の心など、変るもので」