Japanische Klassiker mit Furigana
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ちまんだらしちょうぶし
血曼陀羅紙帳武士
国枝 史郎
Lesen Sie 血曼陀羅紙帳武士 (ちまんだらしちょうぶし) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 88.970 Zeichen · 176 Bildschirme
と左門の眼が五郎蔵の方へ向いた。
「武蔵屋では、よくも拙者に手向かいいたしたな! 今日は返礼! 充分に斬るぞ!」
「黙れ、犬侍!」
五郎蔵は躍り上がり躍り上がり、
「想いを懸けた俺の女を! ……それを汝、よくもよくも! ……汝こそ犬じゃ! ……やア野郎ども犬侍を叩っ殺せ!」
声に応じ、竹槍を持った乾児が、左門眼がけて走り寄ったのが見えた。と、左門の姿が無造作に一方に開き、竹槍の柄を掴んだ。と思う間もなく、槍を掴まれた乾児が、よろめいて前へ出たところを、脇下から肩まで払い上げた。
「野郎ども一度にかかれ!」
怒号する五郎蔵の声に駆り立てられ、三人の乾児が左右から斬ってかかった。
「頼母氏見られよ!」
と、左門の声が響いた。と同時に、一人の乾児の斬り込んで来た脇差しを迎え、それより速く、その脇差しの上へ、自分の刀を重ねるように斬り付け、乾児の眉間を頤まで割り、
「これぞ我が流における『陽重の剣』でござるぞ! ……先ほども紙帳の中より申しましたとおり、貴殿の剣法いまだ未熟、なかなかもって拙者を討つことなりますまい。……されば拙者の剣法を仔細に見究め、拙者を討つ時の参考となされい!」