Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ちまんだらしちょうぶし
血曼陀羅紙帳武士
国枝 史郎
Lesen Sie 血曼陀羅紙帳武士 (ちまんだらしちょうぶし) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 88.970 Zeichen · 176 Bildschirme
「頼母殿」と左門は穏かな声で云った。「貴殿には拙者は討てますまい。少くとも現在のお心境では。……その心境拙者にはよく諒解りまする。……さて拙者お暇つかまつる。拙者どこへ参ろうと、この血曼陀羅の紙帳を釣って、起居いたすでござりましょう。……それで、拙者を討つ心境となり、剣技においても、拙者を討ち取るだけにご上達なされたら、いつでも訪ねておいでなされ。……紙帳武士とお尋ねなされたら、大概は居場所わかりましょうよ。……拙者いつでも討たれて進ぜる」
それから、足もとに、今は肩息になっているお浦を見下ろしたが、
「不幸な女」と呟いた。「不幸にしたのは私じゃ! 償いせねば! ……死なば、わしの手で葬ろう。生き返らば……いや、わしの力できっと生きかえらせてみせる!」
紙帳で、死骸のようなお浦の体をつつみ、それを抱いて、左門が歩み出したのは、それから間もなくのことであった。
林の木々は、左門の左右から、左門を眺めているようであった。遙かの行く手に、明るく黄金色に輝いている箇所があった。林が途切れて、陽が当たっている箇所らしい。その光明界を眼ざして左門は歩いて行くように見えた。