Japanische Klassiker mit Furigana
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けつえきがたさつじんじけん
血液型殺人事件
甲賀 三郎
Lesen Sie 血液型殺人事件 (けつえきがたさつじんじけん) von 甲賀 三郎 (こうがさぶろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 35.256 Zeichen · 71 Bildschirme
「そんな事はありません」
私は少しむっとしながら答えた。博士夫人は博士からそうした冷い取扱いを受けながら、実に貞淑に仕えた、何一つ非難される所のない人なのだ。
署長は探るような眼つきで私を見ながら、
「そうかな。夫が仕事に没頭して家庭を顧みない。勢い妻は勝手な事をする、なんて事は世間に在勝の事だからな」
「他の家庭は知りませんが、笠神博士の夫人は絶対にそんな事はありません」
「然し、君のような若い色男が出入するんだからね」
何たる侮辱だ! 私は唇をブルブル顫わせた。
「な、なんといわれるのです。ぼ、僕は笠神博士を敬慕のあまり、お宅に度々お伺いするのです。い、一体あなたは何を調べようと仰有るのですか」
私の剣幕が激しかった為か、署長はニヤニヤしていた笑顔を急に引込めて、
「そうむきになっちゃいかん。僕はそういう事実があるかないかという事について、調べているんだからね」
「事柄によります。第一、そんな事を、何の必要があって調べるんですか」
「必要があるとかないとかという事について、君の指図は受けない」
署長は鳥渡気色ばんだが、直ぐ元の調子になって、
「この話は打切としよう。