Japanische Klassiker mit Furigana
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けつえきがたさつじんじけん
血液型殺人事件
甲賀 三郎
Lesen Sie 血液型殺人事件 (けつえきがたさつじんじけん) von 甲賀 三郎 (こうがさぶろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 35.256 Zeichen · 71 Bildschirme
然し、終夜ガスストーブを使用している場合には、このメートルのコックを締める訳には行かない。仮りに締めたとしたら、ストーブは消えて終う。
ここまで考えた時に、私は飛上った。黄金の王冠の真偽を鑑定すべく命ぜられたアルキメデスが、思案に余って湯に入った時に、ザッと湯の溢れるのを見て、ハッと思いついて、「ユーレカ、ユーレカ」と叫んで、湯から飛出したという故事は聞いていたが、今の私は確かにこの「ユーレカ」だった。
仮りにストーブに火がついている時に、メートルのコックを捻れば、火は消えるではないか、もう一度捻れば、ガスがドンドン噴出するではないか。頗る簡単な事だ。
笠神博士――には限らない。或る人間は、私や婆や達が毛沼博士の寝室にいる間に、そっと家の中に忍び込んで、息を凝らしている。私達が部屋を引上げるのを見すますと、先ず台所のガスメートルのコックを締める。それから寝室に這入る。それからガスストーブの管を抜く、その時には無論ガスの漏出は起らない。毛沼博士は何かの理由で眼が醒めて、起き上って扉に鍵を下す。その時にはストーブに火はついていないが、ガスも洩れていないから、博士は何にも気がつかずに、再び寝台に横になる。