Japanische Klassiker mit Furigana
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こうじん
行人
Lesen Sie 行人 (こうじん) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 224.801 Zeichen · 452 Bildschirme
とわざわざ怒った風をした。
冗談がひとしきり済むと、自分の予期していた通り、佐野の話が母の口から持ち出された。母は「このたびはまたいろいろ」と云ったような打って変った几帳面な言葉で岡田に礼を述べる、岡田はまたしかつめらしく改まった口上で、まことに行き届きませんでなどと挨拶をする、自分には両方共大袈裟に見えた。それから岡田はちょうど好い都合だから、是非本人に会ってやってくれと、また会見の打ち合せをし始めた。兄もその話しの中に首を突込まなくっては義理が悪いと見えて、煙草を吹かしながら二人の相手になっていた。自分は病気で寝ているお貞さんにこの様子を見せて、ありがたいと思うか、余計な御世話だと思うか、本当のところを聞いて見たい気がした。同時に三沢が別れる時、新しく自分の頭に残して行った美しい精神病の「娘さん」の不幸な結婚を聯想した。
嫂とお兼さんは親しみの薄い間柄であったけれども、若い女同志という縁故で先刻から二人だけで話していた。しかし気心が知れないせいか、両方共遠慮がちでいっこう調子が合いそうになかった。嫂は無口な性質であった。お兼さんは愛嬌のある方であった。