Japanische Klassiker mit Furigana
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まちのたんてい
街の探偵
海野 十三
Lesen Sie 街の探偵 (まちのたんてい) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 4.275 Zeichen · 9 Bildschirme
『これは何の小屋だろう』
『さあ、窓からのぞいてみればいい』
『いや、入口から入ってみよう』
帆村の立っているすぐのところに、この小屋の扉がついていた。把手をひくと、呆気ないほど無造作に開いた。
帆村は兎のように小屋の中にとびこんだ。懐中電燈が、電光のように揺れた。
『おお、しめた。あったあった。これだ』
帆村は大声で叫ぶなり、一つの硝子壜をつまみあげた。
『なんだ、それは』
『いや、この中にホスゲンが入っていたんだ。この壜は小屋の隅に、横たおしになっていた。その壜の中は、向うの空気窓の方に向いていた』
『でも、ここは小屋の中だぜ。ホスゲン瓦斯が発生しても、まさか小屋を出てから向うの空気窓にとどくかしら』
『大丈夫、とどくさ』と帆村は自信ありげに返事をした。『ホスゲンは空気の三倍半も重い瓦斯だ。壜の中から小屋の中に流れだすと、床を匍うよ。ところが床下が、ほらこんなにすいている。すると必然的に、屋上に流れ出すじゃないか。しかもその前に、待っていましたとばかり壁で囲まれた空気窓がある』
『空気窓から階下へ入っていったというのかい。逆じゃないか』
『なにが逆なものか。それでいいんだ。