Japanische Klassiker mit Furigana
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まちはふるさと
街はふるさと
Lesen Sie 街はふるさと (まちはふるさと) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 193.435 Zeichen · 389 Bildschirme
「痛かった?」
「うん」
「なぜ痛そうにしなかったの?」
「しなかったかい?」
「泣くかわりに、笑ってみせたわ。なぜ、指の怪我をしらべてみようとしなかったの?」
「痛すぎて、ボンヤリしたのさ」
しかし記代子は見ぬいているのだ。青木が記代子をいたわるために、指の怪我すらしらべようとしなかったことを。
青木の胸はふくらんだ。
「君、ぼくの指を本当にかみきるツモリじゃなかったの?」
「そうかも知れないわ」
青木は記代子をだきよせて、くちづけした。そして明るい道まで送って、
「ねえ、記代子さん。ぼくたちは毎日たのしい四方山話をしようよ。すると、二人の心が通じあってくるよ」
「ええ」
記代子はニッコリ笑った。そしてスタスタ行ってしまった。
九
青木はいったん宿へもどったが寝つかれなかった。思いたって、放二のアパートへでかけた。
放二はまだ帰っていないから、マーケットのオデン屋で一パイやりながら待つことにした。ここにいると、帰宅の放二をよびとめることができるのである。
「放二さん、いつも帰りがおそいってね」
「ええ。毎晩あたしが店を閉めかけるころにね」
「お酒に酔って?」