Japanische Klassiker mit Furigana
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まちはふるさと
街はふるさと
Lesen Sie 街はふるさと (まちはふるさと) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 193.435 Zeichen · 389 Bildschirme
ヨタモノもモラルをくつがえす。
それにしては、選ばれた花嫁が、どうも頭がよくないようだ。エンゼルの審美眼も、当にならない。
「それほどの覚悟なら、こッちで何もすることはなかろう。当人が幸福なら、それに越したことはないさ。ただ、エンゼル家からお払い箱というときに、行き場に窮するということがなく、こッちへ戻ってくる才覚をつけておいたら、よろしかろう。北川君がその才覚をつけてやるのだね」
長平はこう簡単に結論したが、単純明快に合理的でありすぎて、肉親的な感情が、どこにもなかった。
せつ子は反対した。
「算術みたいにおッしゃるものじゃありません。もっと、ムリヤリ、してあげなければならないものです」
「当人が幸福なら、こッちでムリヤリしてやることは何もないさ」
「第一、何もしてあげなかったら、世間では、大庭長平は鬼のようだ、と言いますよ」
「遠慮なく言ってもらうさ」
「記代子さんのお姿が見えませんが、どうなさいましたか、と訊かれた時に、こまりますよ」
「こまりませんね。エンゼルという屋敷もちの花づくりのアンチャンと結婚して、花を造り、悪銭をもうけて、内助の功を果し、大そう幸福にくらしているそうだ、と答えて、不名誉なところは一つもない」