Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

まちはふるさと

街はふるさと

坂口 安吾

Lesen Sie 街はふるさと (まちはふるさと) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 193.435 Zeichen · 389 Bildschirme

Aozora Bunko

インギン丁重である。さてはボーイにいたるまで堅く口どめに及んでいるのかと、青木は察しがよすぎて、

「ヤ。失敬。デップリした洋服の西郷さんに、よろしく」

と、ひきさがった。こう警戒厳重では、単身では手が廻らない。明日はカバン持ちの戸田を助手に使って、放二の社に張りこませてやろう。放二のアパートも分っているのだし、今、あせることはない。

青木は自分の宿屋へ戻ってきた。戸田は彼の指令をうけて別方面の金策にとび廻ったはずだが、その戦果はどうだろうかと、部屋へはいると、待っていたのは、戸田ではなくて、礼子であった。

「やア。あなたか。戸田君は?」

礼子は答えずに、チラと目を部屋の隅の机の方へやった。青木がそこを目で追うと、彼のカバンにいれておく書類が、机の上につみあげてある。戸田がそれを掻きまわす必要はなかったはずだが、と、近よって見ると、鉛筆で走り書の紙片がのっかっていた。

青木はそれを執りあげた。

「しばらく月給もいただきませんので、代りにいただいて行きます」

しらべて見ると、カバンと、身の廻りのものがなくなっていた。いまや、着のみ着のままだ。急場をしのぐものと云えば、腕にまいたロンジンぐらいのものであった。