Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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がいていのようこうろ

街底の熔鉱炉

佐左木 俊郎

Lesen Sie 街底の熔鉱炉 (がいていのようこうろ) von 佐左木 俊郎 (ささきとしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 6.879 Zeichen · 14 Bildschirme

Aozora Bunko

「そんなこと、知るもんか。いったい、てめえら、なんてまねをしていやがるんだい? ふざけやがって。」

「…………」

男は一枚の名刺を彼に渡した。

「あ、そうですか。それはそれは……」

男はすぐ出て行ってしまった。彼は微笑みながら火鉢の前に帰った。

「帰ったよ。出ても、もう大丈夫だ。」

「どうも、おかげさまで……此方だって、本当に食えないからやっているのに……」

青年は押し入れから出て来てそこへ坐った。

「一体、何を掻っ払ったんだね?」

「え? 掻っ払いじゃありませんよ。まさか、そんなことまではしませんよ。」

「泥棒したんじゃないと言うのか?」

「宣伝をしていたんです。われわれ失業者、どうにもならないもんですから、ビラをまいていたんですよ。そのうちにビラが無くなったんで、僕は本部ヘビラを取りに行って来たんです。来て見ると、同志は皆んな検束されていて、僕がそこへ帰って来たもんだから……」

「食えないんなら、そんなことをするより、持っているもののところへ行って、取って来たら、どんなもんだね。」

「泥棒ですか?」

「まあ、泥棒だね。」

「併し、失業者がみんな全部泥棒になったって、社会の組織は変わらないですからね。