Japanische Klassiker mit Furigana
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しょうとつしんり
衝突心理
夢野 久作
Lesen Sie 衝突心理 (しょうとつしんり) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 7.041 Zeichen · 14 Bildschirme
「ヘイ、恐れ入ります。私はモウすっかり前非後悔をしております。何も彼も白状致します」
「フーム。白状するちうて何か悪い事でもしたんか」
「ヘエ。私は大罪人です。姦通と泥棒の二重の大罪人です。それを知っている者は、あの惨死しました蟹口さんだけです。蟹口さんは私から、女と二千円の金を盗まれたまま、黙っていてくれたのです。しかしあの恐ろしい死顔を見たら迷の夢が醒めました。何もかも白状致します……ハイ……ハイ……」
戸若運転手は机の端にヒレ伏したまま涙をバラバラと落し初めた。
「……ちょっと待て……ちょっと……」
少々驚いたらしい交通巡査は、帳面片手に立上ってソソクサと部長室を出て行った。広間の大火鉢の前で煙草を吸っている巡査部長の傍へ近付いてコソコソと耳打ちした。
「そんな事を云い出したもんですから……どうも僕の受持ではなさそうです。ちょっと立合って頂きたいんですが」
巡査部長は面倒臭そうにアクビしいしいうなずいた。向い合って煙草を吸っている二人の刑事をかえり見た。
「この頃ソンナ話は聞かんな。姦通とか、二千円の盗難とか……」
二人の刑事は眼をパチパチさせて部長を仰いだ。