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Japanische Klassiker mit Furigana

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しょうとつしんり

衝突心理

夢野 久作

Lesen Sie 衝突心理 (しょうとつしんり) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 7.041 Zeichen · 14 Bildschirme

Aozora Bunko

二人がズルズルと深間に陥る早さよりも、そうした噂の立つスピードの方が早かった。

すると、その噂を聞いたものか、どうだかわからないが、蟹口は突然に、戸若にもダンマリで千番トラックを引いて、ツル子と共に淀橋の煙草店まで引払い、子安の妹田農場の専属運転手となった。そうしてその中に、だんだんと園芸の方へ頭が傾いて来たらしく、農場内の自宅の庭へ苺や胡瓜の小さな温床を造ったり、屋根一面に南瓜の蔓を這わしたりして肥料の異臭を着物まで沁み込まして喜んでいた。……今にどこかで小さな土地を買って速成栽培でも遣ろうか。毛唐相手にすれば苺一粒が十二銭……胡瓜一本が三十銭もするんだから……などと妻のツル子へ相談することがあった。

しかしツル子は極力不賛成を唱えた。折角油の異臭に慣れたところに、肥料のにおいなんか押し付けられちゃ、たまらない……なぞと我儘を突張った。無理にも亭主に運転手稼業を止めさせまいとした。

ツル子と戸若の関係は切れていないのであった。結局蟹口がどうしても農業に転向するものと見込をつけた姦夫姦婦は、蟹口が汗を絞った貯金二千余円を捲上げる計劃を立てた。

戸若は一昨昭和七年の十二月の初めの或る夕方、日が暮れると直ぐに、蟹口の留守宅に忍び入り、ツル子を細帯で縛り上げ、猿轡を噛ました上で、二千円の貯金の通帳と印形を奪っ