Japanische Klassiker mit Furigana
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かっしょくのぐどう
褐色の求道
岡本 かの子
Lesen Sie 褐色の求道 (かっしょくのぐどう) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 7.065 Zeichen · 14 Bildschirme
「先刻は失礼しました。私は此処の給仕人を勤めているものです。もっとも臨時雇ですが、――あなたにもっと仏教のことを伺い度いと思いまして、あのおじいさんの給仕人に番を代って貰いました。だいぶ遠慮して差控えていたのですが、どうしても好き機会と思いましたので」
それから彼はマネージャの方を気にしながら、私の食事をサーヴィスしている形に見せつつ、彼の訊き度いと思う仔細を語った。
青年は名をベックリンと言って伯林商業大学の生徒だった。自活をしているので、仕事のあるときは多くその方を懸命に働き、学校は、言わば失業のときの暇つぶしですと言った。
「御承知でもありましょうが、いま独逸で私たちのような境遇の者の食って行く途は実に骨が折れるのです。こっちは何でもやるつもりですが仕事がありません。私たちの日課と言ったら朝起きて新聞の職業紹介欄を見て、目星しいものにサインを付け、それを一々自転車に乗って尋ね廻ることです。誰が先にその求人の事務所に乗りつけるか、まるで自転車競走です。そして一々すげなく断られて帰って来ます。そして朝飯のパンを噛ります。もう習慣になっていますから、求職の一廻りをして、それからでないと朝飯が落着かないくらいです。