Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
せいこのしじん
西湖の屍人
海野 十三
Lesen Sie 西湖の屍人 (せいこのしじん) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 19.487 Zeichen · 39 Bildschirme
* * *
「そのときの若い方のが、昨夜、銀座裏で逢った彼の男なのさ」帆村は、抽出のなかから新しいホープの紙函をとりだすと、そう云った。
「神田仁太郎という男だネ」そういって、私は、帆村の室にかかっているブコバックの裸体画が、正午ちかい陽光をうけて、眩しそうなのを見た。
「あの袋小路には、カラクリがある」
「どんなカラクリだい」
「そいつは判らん。だが追々わかってくるだろう」
「神田仁太郎のことなら、小石川の、その何というのか心霊実験会みたいなところで訊けばわかりやしないか」
「既にさっき調べてきた」帆村は苦りきって云うのだった。
「無論、住所は二人とも出鱈目だった」
「あの神田という青年は、なんだって、あんな恰好で銀座裏なんかに現われたのだい。あれは神田氏だけの問題なので、気が変になったとか或いは酔払っていたとか(ここで私はクスリと忍び笑いをしなければならなかった)そういったことだけなのか。それともあれが、もっと大きな事件の一切断面だとでも云うのかい」
「もちろん事件だ」帆村は言下に答えた。「わるくすると、われわれの想像できないような大事件かも知れない」