Japanische Klassiker mit Furigana
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おやこいったいのきょういくほう
親子一体の教育法
宮本 百合子
Lesen Sie 親子一体の教育法 (おやこいったいのきょういくほう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 1.967 Zeichen · 4 Bildschirme
それがどういうことだったかも思い出さない。けれども、そう云われて坐っていたということばかりは、よくよくおなかが空きでもしたと見えて、今もはっきり覚えている。
家の日々の空気が作用する
そんな思い出の一方には又こんなこともある。
小学校へ入って程なく音楽がすきだからというのでピアノを習いはじめた。うちにはベビイ・オルガン一台あるきりで其で教則本をあげた。そしたら先生がピアノを買った方がいいだろうというすすめで、一台中古を見つけてくれた。或る晩、九つの私は父につれられて本郷の切通しだったか坂の中途にある薄暗いその楽器屋へピアノを見に行った。いく台も並んである間にはさまって、その黒いピアノは大したものにも見えなかったので何となしぼーとしてかえって来た。ところが何日か経って、天井の低い茶室まがいの部屋へそのピアノが入って来たとき、私のおどろきと讚歎はどうだったろう。こんなに綺麗で、こんなに立派だったとは思いもかけず、左右についている銀色の燭台に蝋燭の灯をきらめかせて、何時間も何時間も、夜なかまで夢中になって鳴らしていた。
大きくなって見直せば、そのピアノは日露戦争の時分旅順あたりにあったものを持って来たもので、おそろしい時代ものの上に、こわれたところを修繕して全く色の違う木がところどころにうめてある