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Japanische Klassiker mit Furigana

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おやどりことり

親鳥子鳥

佐々木 邦

Lesen Sie 親鳥子鳥 (おやどりことり) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 88.828 Zeichen · 181 Bildschirme

Aozora Bunko

とお父さんは悲観してしまう。

「余所の子供でも風邪ぐらいひきますよ。丈夫な子ばかり外で遊んでいるんですわ」

とお母さんは看護に一生懸命で夜の目も碌々寝ないのだから、その上苦情を言われては引き合わない。

「それにしても三人も四人もひくことはないよ。真正に厭やになってしまう」

とお父さんは未だ愚痴をこぼす。

「あなたが大切にし過ぎて厚着をさせますから、皮膚が弱くなるんでございますわ」

とお母さんは日頃の干渉を問題にする。お父さんは自分が寒がりだから、子供に厚着を強いる。

「寒いことはありませんわ」

「いや、寒いよ。暖か過ぎる分には構わないんだから、何枚でも着せなさい」

「でも抵抗力が弱くなりますわ」

「それは医者の理窟だ。兎に角風邪さえひかせなければ宜いんだからね」

というような意見の相違は屡耳にするところである。

子煩悩なお父さんには子供の病気が何よりも辛い。誰か一人寝ていると食慾が衰えるのでも分る。社から電話をかけて、熱の加減を問い合せる。帰宅も早くなる。玄関へ入ると直ぐに、

「何うだね? 千代子は」

と訊く。好い経過を期待していると思えば、お母さんも骨が折れる。