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Japanische Klassiker mit Furigana

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おやどりことり

親鳥子鳥

佐々木 邦

Lesen Sie 親鳥子鳥 (おやどりことり) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 88.828 Zeichen · 181 Bildschirme

Aozora Bunko

「成程、皺は年々豊富になりますな」

と剽軽なお祖父さんが笑った。

「悪いものばかり豊富になりますよ。私は喘息で痰が豊富になってからは殊に縮み方が烈しい。去年の土用干しに軍服を着て見て悲観しましたよ。ダブダブです」

と荒川さんもお祖父さんに負けない。

「頭丈けは痩せないと見えますな。帽子は一向大きくなりません」

とお祖父さんは妙なことを言い出した。頭の痩せる奴はなかろう。

「頭は骨です。骨は何年たっても痩せませんよ。しかし内部は矢張り縮みますな。昨今物忘れをすること夥しい。今日は扇子を忘れて来ました」

と荒川さんは序ながら団扇を請求した。

「しかしあなたは外部に異状がない」

「その代りこの通り真白です」

「白くても毛のある方が宜いですな。今更形態でもありませんが、禿げていると危いです。一寸電球を支えても直ぐに怪我をします。生傷が絶えません」

「あなたは早くお禿げになりましたな。初めてお目にかかったのは聯隊長時代でしたが、もう些っともありませんでしたな?」

「いや、あの時分は未だありました。禿げたのは少将になってからです」

とお祖父さんは主張した。いつの頃から禿げたか知らないが、僕はお祖父さんの若い時分の写真を見ているから、以前生えていたこと丈けは保証出来る。