Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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おやどりことり

親鳥子鳥

佐々木 邦

Lesen Sie 親鳥子鳥 (おやどりことり) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 88.828 Zeichen · 181 Bildschirme

Aozora Bunko

「ふうむ、それは宜かった」

とお父さんは一日働いて来て腹がへっている。

「母校の復興資金のことで態お出になったのですから、私、今度こそは少し纒めて寄附しなければならないと思っていますの」

「ふうむ、それは宜かった」

「宜しゅうございますの! 安心致しました」

とお母さんは大に力を得て、

「けれども他の方の振り合いもございますから、今も申しました通り、私、出すなら余り吝なことはしたくありませんの。如何でしょう、五十円ばかり? ねえ、あなた、五十円丈け?」

「五十円? 五十円何うするんだい?」

とお父さんは初めてお母さんを顧みた。

「母校の復興寄附金でございますよ。その為めにスミスさんがお出になったんですわ」

「スミスさんて何者だい?」

「まあ! あなたは先刻から聴いていらっしゃらなかったのね。道理で御返事が少し頓珍漢だと存じましたわ」

「腹がへっているものだからね。衣食足って寄附金を知るさ」

「それでは後から申上げましょう」

とお母さんは話の腰を折られて、又のことにしなければならなかった。

お父さんは僕のことを横着ものだといって貶しても、自分もこの通り瓢箪鯰である。都合の悪いことは努めて聞き流そうとする。