Japanische Klassiker mit Furigana
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おやどりことり
親鳥子鳥
佐々木 邦
Lesen Sie 親鳥子鳥 (おやどりことり) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 88.828 Zeichen · 181 Bildschirme
「お祖母さんに糸を通して上げたことなら私の方が余計よ。何を頼まれたって、私、厭やな顔をしたことなんか一遍もありませんわ」
と上の二人は時折憤慨する。
「私、浩ちゃんと喧嘩すると屹度私が悪いんだわ」
と千代子も相応言分がある。唯二つ違いで好い遊び相手だけれど、お弾き玉一つのことでも片一方の旋毛が曲るとやかましくなる。
しかしお祖父さんにしてもお祖母さんにしても孫は何れも皆憎くない。一様に可愛い。一視同仁だが、唯一番小さいのに一番余計に惹かされるのである。斯ういう傾向は何処の家庭にも認められる。謂わば人生の行路の終点に達した年寄はその出発点に近い孫ほどいとしいのである。
秋も大分更けた或日曜の午後、お祖父さんがお茶の間へノコノコと入って来て、
「お鶴や、浩二は実にうまいことを言うよ。俺は感心してしまった」
とお母さんに話しかけた時、敏子は郁子の袖を引いた。
「姉さん、又始まってよ」
「浩ちゃんは真正に徳ね。何を言っても褒められるんですもの」
と郁子も囁いた。
「まあ、何を申しましたの? 又お祖母さんの悪口じゃありませんの?」
とお母さんはお仕事の手を休めた。
「あの子は親父に似て悪口も上手だが、今日のは然うじゃない。