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Japanische Klassiker mit Furigana

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うたせてやらぬかたきうち

討たせてやらぬ敵討

長谷川 伸

Lesen Sie 討たせてやらぬ敵討 (うたせてやらぬかたきうち) von 長谷川 伸 (はせがわしん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 10.752 Zeichen · 22 Bildschirme

Aozora Bunko

この四年ばかりの間というもの、宮内は治部太夫を訪れたことがない、治部太夫の娘きいが、望んで生島慎九郎に嫁いでからは、宮内にとって治部太夫は、躓かせた路端の石ころだった。

「珍しいのう弓削田氏、取り乱しているが、ここへ御座れ、いやその後はトンと無沙汰じゃ」

額が禿げあがった、この大兵な老人は、疎にはなったが丈夫そうな歯を剥き出して、元気よく宮内を待遇した。

宮内は沈鬱な顔つきで、世間話を口重そうに語り出した。

「時に、今日の来訪は、何用じゃのう」

杯を下にして治部太夫は、家人が今出て行った後をチラと見てから尋ねた。

「は、矢作殿、――御家はこの後どうなりましょう」

「どう、どうなるとは何事だのう」

「主水一類を誅し終って二年になります」

「おお二年になる」

「御家は安泰でござりましょうか」

「はて、何故事新しげにそのようなことを尋ねるのじゃのう、会津四十万石、大盤石の如く御当家は千代八千代じゃ」

「それは浅見じゃ、やがて御当家は御取潰し、これは免れぬ御運じゃ」

「不祥なことをいうな、口を慎め、――いらぬことをいう男じゃ」

「主水一類と四十万石引換えにと、式部少輔殿が申された、その始末がやがてつけられましょう」