Japanische Klassiker mit Furigana
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しのげんり
詩の原理
萩原 朔太郎
Lesen Sie 詩の原理 (しのげんり) von 萩原 朔太郎 (はぎわらさくたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 153.641 Zeichen · 305 Bildschirme
第十二章 日本詩歌の特色
で、これを主張した浪漫派こそ、正しく詩派の中での正統主義であったのだ。
* 抒情詩的な感情と叙事詩的な精神とが、全く同一線上のものに属することは、大概多くの詩人が、この両面の詩情を一人で兼ねている事で解る。例えばゲーテ、シルレル、バイロン、ハイネの如き、何れも情緒纒綿たる恋愛詩の詩人であって、同時に一方でヒロイックな叙事詩を書いている。のみならず、ハイネやバイロン等の如きは、一方で恋をしながら一方で義人の如く戦っていた。ニイチェに至っては、その最も典型的な例であって、彼の妹にあてた書簡の如き、真の女性的愛情の優しさを尽している。故に公理を言えば、善き抒情詩の作家のみが、善き叙事詩を書き得るのである。
自殺した芥川龍之介は、純一なる小説家でかつ芸術至上主義者であったけれども、一方ではこれによって、ヒロイックな叙事詩を書こうと企てたのである。著者がかつて他の論文で、彼を「詩を欲情する小説家」と言ったのはこの為だ。
第十二章 日本詩歌の特色
以上吾人は、主として西洋の詩について叙述してきた。次に我々自身のもの、日本の詩について述べねばならぬ。もとより詩の原理するところは、東西古今を通じて一であり、時と場所による異別を考え得ないが、その特色について観察すれば、彼我自から異ったものがなければならぬ。