Japanische Klassiker mit Furigana
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だれのために
誰のために
宮本 百合子
Lesen Sie 誰のために (だれのために) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 5.936 Zeichen · 12 Bildschirme
半ば封建の闇からぬけ出ていて、しかも、封建的重圧のために脚をとられていることを最も痛切に自覚している筈のインテリゲンツィアの層こそ、雀躍して、自分の踝の鎖をたち切るために活動するだろうと期待された。しかし、現実は、単純にそう動いて来ていない。民主主義というものに対して、漠然たる懐疑めいたものが瀰漫している。民主主義という声に抵抗する心理も一部の知識人の雰囲気としてある。しかも、それは、どこまでも心理として、雰囲気としてもたれていて、その社会的コンプレックスに科学的な分析を加えられることさえも民主主義そのものへの懐疑とひっくるめて、肯おうとしないがんこな、いこじな心理があるように思える。これは、どういうわけなのだろう。君らに、この社会がどう出来るのだ。俺は俺なりに生きてゆくんだ。放っておいてくれ。そういう気持がインテリゲンツィアらしい観念哲学や芸術論に托して表現されてもいる。
戦争中の知性の殺戮は兇猛であった。兵隊、徴用にゆくか、監獄にゆくか、二つに一つしかないような有様であった。各自の精神がどんなにそれを軽蔑していようとも強権と肉体への暴力で、特定の権力と目的とにしたがえさせられた。