Japanische Klassiker mit Furigana
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けいさつしょちょう
警察署長
田中 貢太郎
Lesen Sie 警察署長 (けいさつしょちょう) von 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 7.783 Zeichen · 16 Bildschirme
主翁は二人を廊下へ待たしておいて、ランプをかまえ、それを持って家の左端に続いたその室へ往った。ランプの光りは真中に円いテーブルを置いた室の中を照した。
「この室ですよ、隣が寝室になっております」
主翁はランプを差しあげるようにした。樺色のカーテンがそこに垂れていた。クラネクとベルセネフはその方に眼をやった。
「好い室だ、ここで食事をするから、すぐ運んでもらう」
主翁はランプをテーブルの上に置いてから出て往った。
「好い室だ、こんな好い室があるのに、あんな豚小屋のような処で寝られるものじゃない」
クラネクは笑いながら腰をかけた。ベルセネフもそれといっしょにそのむこう側に腰をかけた。
「すこし窓を開けようじゃないか、暑いな」
赤や紫の硝子をきれいに入れた硝子扉があった。ベルセネフは起って往ってその一枚を開けた。暗いところから涼しい風が入って来た。
「何かいやしないかね、例の怪しい奴がさ」
クラネクが笑って云った。
「夜と云う奴が、星の眼を光らしているのですよ」
ベルセネフは冗談に調子をあわせながら元の椅子へ戻った。
「今晩はゆっくり飲もう、もう、ここへ来るなら、日本人も来やしない、大丈夫だ」