Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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まけないしょうねん

負けない少年

吉田 甲子太郎

Lesen Sie 負けない少年 (まけないしょうねん) von 吉田 甲子太郎 (よしだきねたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 7.019 Zeichen · 14 Bildschirme

Aozora Bunko

三

ところが、翌朝早くキーシュは悠々と村の中へ入って来ました。きまりの悪そうな顔などしていません。背中には殺した獣から切りとったばかりの生々しい肉を背負っています。勿体ぶった歩きぶりだし、えらそうな口のきき方です。

「さア村の人たち、犬に橇を引っぱらせて、たっぷり一日ばかり僕の足跡をつけてさがしにゆくがいいよ。氷の上に肉が沢山あるはずだ――雌熊が一匹、おとなになりかけの子熊が二匹だ」

母親の喜びようったらありませんでした。しかし彼はお母さんの喜びを男らしい様子でうけとめました。

「お母さん、さア食べましょう。それから眠らせて下さい。僕、くたびれているんですから」

それから彼は自分の雪小屋へはいって、十分に食べ、そのあとで二十時間もつづけて眠りました。

村人たちにはいろいろな疑問が起りました。それから果しもない議論がつづきました。北極熊を殺すのは非常に危険なことです。殊に子熊をつれた母熊を殺すのは、普通の三倍も、いや三倍の三倍も危険なことです。男たちは少年キーシュがたった一人でそんなえらいことを仕遂げたとは、なんとしても信じられませんでした。

しかし、女たちは彼が背負って来た生々しい肉のことをいい立てます。