Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
まけないおとこ
負けない男
佐々木 邦
Lesen Sie 負けない男 (まけないおとこ) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 98.799 Zeichen · 202 Bildschirme
「生れ更れば赤ん坊だよ」
「然うでございました。それから奥さんのお年までというと都合八十二年かゝります」
「面白いことを言う婆やだな」
「奥さんは本当にお綺麗でございますよ」
「未だ奥さんじゃない」
「あら、来ましたよ」
「ふむ?」
「六兵衛ですよ。畜生!」
と婆やは険しい顔になった。犬が吠え始めた。清水君から貰ったのだ。堀尾君は道子さんに命名を求めて、アレキサンダーと呼んでいる。アレキサンダーは実によく吠える。新聞配達と御用聞きの小僧が嫌いだ。広告屋のチンドンに多大の反感を持っている。肥車の牛とは最近漸く仲よしになった。
「悧巧な犬ね。私が来ると御門まで迎えに出ますのよ」
と名づけ親の道子さんは可愛がっている。ところでその界隈へ毎朝何処かの書生がブル・ドッグを曳いて来る。それを見ると、アレキサンダーは狂気のようになる。怖いのだ。しかし書生は腹が立つと見えて、その都度ブルを嗾しかける。それを婆やが時折堀尾君に訴える。
初めは、
「旦那さまは水車場の六兵衛を御存知でございますか?」
と訊いた。村の話だ。
「知っている。四角な顔をした男だ」
「他人の空似と申しますが、あの六兵衛にそっくりそのままの犬がいますよ」