Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
にせさつじけん
贋紙幣事件
甲賀 三郎
Lesen Sie 贋紙幣事件 (にせさつじけん) von 甲賀 三郎 (こうがさぶろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 8.495 Zeichen · 17 Bildschirme
「大人なんて、案外駄目なもんだなあ」
僕は何が駄目なのかよく分らなかったので黙っていた。
工夫詰所を出た森君は後戻りを始めた。すると、来る時には気がつかなかったが、一軒の小さい鍛冶屋があった。ブーブーと鞴でコークスの火を燃やして、その中で真赤にした鉄を鉄床の中に鋏で挟んで置いて、二人の男がトッテンカンと交る交る鉄鎚で叩いていた。叩く度にパッパッと火花が散った。
森君は鍛冶屋の前に行くと又ツカツカと中にはいった。
「お寺の和尚さんの頼んだものはいつ出来ますか」
「ネジ廻しかね」向う鎚を振上げた男は迂散そうな顔をして、森君を見ながら、「明日の朝出来ますだよ」
「有難う」
森君は鍛冶屋を出たが、ニコニコしていて何だか嬉しそうだった。
森君は先に立ってグングン歩いて行くので、僕はどこへ行く積りだろうと怪しみながらついて行くと、又先刻のお寺の門の所に来た。森君は平気でさっさと門を潜ってお寺の中へはいった。
「風岡君、僕はもう一ぺん縁の下に潜るから、あの変な坊さんが来ないか見ていて呉れ給え。もし来たら、来たッと云って呉れ給え。好いかい」
僕がもうそんな事は好し給えと止めようと思っているうちに、森君はもう縁の下に潜ってしまった。