Japanische Klassiker mit Furigana
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あかいふねのおきゃく
赤い船のお客
小川 未明
Lesen Sie 赤い船のお客 (あかいふねのおきゃく) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 3.624 Zeichen · 8 Bildschirme
また、笛の穴の中から飛びだして、幻の中に笑ったり跳ねたりした、異様な、帽子を目深にかぶった洋服を着た男も、ほんとうに、砂山の下をてくてくと歩いているのでした。
二郎は目を開けながら、自分は、夢を見ているのではないかと思ったのでした。
「不思議な笛だ。」と、彼は、手に持っているおじいさんからもらった笛をながめたのです。
砂山の上に、仰向けになって臥ながら、彼は、笛を吹いてみました。
吹けば吹くほど、いい音色がでて、不思議ないろいろな幻が目に見えたのであります。
二郎はまた、起き上がりました。
そして、笛の穴をのぞきながら、「この穴の中に、なにか小さな魔物でもすんでいるのではないか?」と思いました。
このとき、海の方から、ため息をつくように、軽いあたたかな風が、吹いてきました。
「ほんとうに、不思議な笛だ。」
二郎は、しみじみと、この短い青と赤に塗り分けられた一本の笛に、見入っていました。
その中に彼は、棒きれを持ってきて、笛にあいている穴を、一つ一つ、つついてみていたのであります。
いくら棒きれでもって穴をつついても、その中からどんな魔物も飛び出しませんでした。