Japanische Klassiker mit Furigana
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あかいかしゃ
赤い貨車
宮本 百合子
Lesen Sie 赤い貨車 (あかいかしゃ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 35.168 Zeichen · 71 Bildschirme
柩馬車の御者台には、御者とならんで十一二の男の児が冬外套を着てのっかって行く。
窓からのり出してナースチャはその葬式を見送った。その時ひろい街の上にあるのは朝日とその葬式ばかりで、いつまでもいつまでも馬車にのっかって行く男の児の外套を着た背中が黒くぽっつりとかなたに見えるのであった。……ナースチャは窓をはなれ、坐りなおし、帳簿つけをしている女車掌の胸につり下っている、テープのように巻いた切符を眺めた。切符は赤、黄、水色、白――電車はながい。
七
クレムリン城内と向いあって、四角にモスストロイ(モスクワ土木課)がある。
パーヴェル・パヴロヴィッチは五年間、歩いてその三階へ通いつづけた。出かける前に、彼は火傷しそうに熱い茶を受皿にあけて飲んで、バタつきパンをたべて、タバコを吸いながら水色の技術制帽を外套の袖口で一二へんこすってかぶるのであった。
ナースチャは一時間半前に、台所の寝台から起きた。ソフィヤ村の伯母の家でナースチャの寝床は大箱の上だった。ここでは箱でなく、台所の壁から一枚板が下りた。ナースチャはその上へ掛物にくるまって眠るのであった。